年末の何かと気忙しさや年明けのちょっと照れくさい感じが、歳を重ねるにつれ変化してきている。
今では、どうってことのない日々になっている。
いやどうってことのない日々ではないか・・
わずらわしいだけの日々になったのだな、いつの間にやら。
大忙しで年賀状の準備をして、見えないふりをしていた場所を掃除し、いつもより高い食料品を買い込む。
玄関にはお飾りをつけ、年末のカウントダウンに入る。
年に一度しか使わない重箱を出して、なぜか匂いのチェックをするのは私だけだろうか?
日をまたぐだけなのに、なぜあんなにもワクワクしていたのだろうか。
そうだ、大晦日は我が家にとって、特別な日だ。
何せ娘が誕生日なのだから、特別なのだ。
12月は息子の誕生日・クリスマス、そして娘の誕生日とケーキづくしになる。
31日はさらに年越しそばも食べねばならないから、胃袋も用意する私も大変なのである。
しかし、永遠に思えた大晦日の「せわしなさ」も、娘の成長と共に薄まっていくのだ。
今年の年末年始はきっと、史上最大のつまらないソレになりそうだ。
つまらないというか・・
わざわざ物価の高騰に引きづられて、高い食材を買わなくてもいい。
食べたいときに食べれば良いのだ。
TVを見ても何もワクワクしないし、面白いエンターテイメントは動画で好きなときにいつでも見れるのだ。
食べ慣れないおせちを持て余し、味が濃いと嘆いては、やっぱりいつものご飯が美味しいねとたどり着く。
お得なのか分からない「福袋」や「初売り」に、ときめかなくなったのはいつの頃からだろうか。
昔、贅沢とされていたりした食事や買い物が、現在では日常的に手を伸ばせば届く生活になったのかもしれない。
今が裕福になったのかどうかはさておき、選択肢は増えたのだろうと思う。
買い置きしなくても、食材は買える。
娯楽も同様だ。
どこのお店もやってないという、ひっそりした感覚があったからこそ、慎ましく家の時間を過ごしていたのだろう。
とにかく時代が変わったのだ、我が家も同様に。
だからすんなり受け入れよう。
特別さびしいことと認識しなくても良い。
自宅の平均年齢が引き上がると同時に、年末年始は「一年、生きてこれたね」っていうムードに変わってきたと思えば・・
それを祝うとしよう。